こんにちは!ケアステ編集部です。
精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第5回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。
精神障がい者グループホームは、毎日がワクワクのアトラクション
楽しくて嬉しくて幸せすぎ。
第5回 「お湯屋のおばちゃん」
オカネさんと初めて会ったのは去年の6月、とてもムシ暑い日だった。
少し前から、2泊3日の体験で40代の女性が来られると聞いていた。
どうも彼女は、自分が看護師としてこの施設に派遣されると思い込んでおられるとのことだった。
私は、空いているお部屋の掃除をしてカーテンを付けたり、ベッドを入れたりして、その時を待っていた。
ピンポーン🎵
ガチャ
?????
ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
ドアが開いた途端、何とも言えない臭いが1階の玄関から2階に駆け上がって来た。
そして、管理者が彼女とお母様に施設の案内をしながら2階に着いた時…。
突然、サビ管(サービス管理責任者)が私のところに来て、お風呂に入ってもらうから介助お願いしますと言った。
私が?何で?
ムリムリと両目で訴える私を尻目に、嫌がる彼女に何度もお願いしているサビ管の声が聞こえた。
「お風呂入ってサッパリして下さいね」
「入りましょ。ね…ね。入ってね」
その時、千と千尋の神隠しの1場面が唐突に脳裏によみがえった。
私は千尋で、ここは、お湯屋?じゃあサビ菅、湯ばぁばやん。
と思ってるとオカネさんが私の目の前に現れた。
私は、プロらしく、平常心で明るい声と表情をキープしながら話しかけた。
「こんにちは、看護師のオカネさん、ここ、初めてですね。初めてここで働く方は、まず、お風呂に入って頂いてますので、お願いできますか?」
彼女は、仕方ないわねという目で
「じゃあ入ります」と言った。
「え?入る!!入る言ってはるんですけど…バスタオルとか用意して下さい」と誰もいない廊下に向かって大きめの声で叫んだ。
隠れていた?サビ菅が
「入るって?やったやん!すごい!岡田さん、さすが!」とルンルンしながらシャンプーと石鹸とタオルを持って来てくれた。
オカネさんは、その間にサッサと服を脱げ捨てて、風呂場に立っていたので機嫌を損ねないように、私が、お手伝いさせてもらいますねと言うと、
ニタっと笑い
「おばちゃん、よろしく。」と言った。
40代の人におばちゃんって呼ばれたくないが、ここで機嫌を損なえば、2度と風呂に入ってもらえないかもしれないと自分に言い聞かせ、お湯屋のおばちゃん役に徹した。