介護福祉士への挑戦「岡田のおばちゃん 介護職ブログ」第19回

こんにちは!ケアステ編集部です。

精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第19回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。

今回は、最年長の小森さんのお話です。


精神障がい者グループホームは
毎日がワクワクのアトラクション
楽しくて嬉しくて幸せすぎ。

第19回 「緊急対応

小森さんは、うちのグループホームで最年長70代の利用者さんだ。
私達が朝出勤の際、車から出ると、すぐさま部屋の窓を開けて
「おはようございます」と言って下さり、帰る時も
「さよなら、お疲れ様」と言って下さるとても優しく礼儀正しい方だ。

ある日の昼前、ダイニングで小森さんのバイタルを測っていた訪看さんが
「誰か、救急車呼んで!」と叫んだ。

「どうしたんですか?」と駆け寄って見ると、小森さんは、椅子に座って、顔面蒼白で意識が薄く両腕が、ダラーンとなっていた。

まるで死人のような白さに慌てて、サービス管理責任者が救急車を呼ぶために、電話を手に事務所に走っていった。
訪看さんが、小森さんの部屋から敷布団を取ってきて敷き始めたので、私は、その横で小森さんの名前を呼び続けた。

私は必死で、救急車がもうすぐ来るから頑張ってと腕をさすり続けた。
その時、向こうの方でサイレンの音が聞こえた。

私は、玄関にあった靴や椅子を片付けドアを開け救急車を誘導すべく外に出た。
お願い、早く来て、サイレンは、近くなってきたが姿が見えない。
通りに出たら、他の車を追い越して来る赤い救急車両が、見えた!えっ?赤?消防車?もうなんでもいい、心臓がバクバクし始めた。
こっちです!両手を振って、大きな声を出した。

救急隊が、降りてきた。

「ここから入って!廊下、まっすぐ行って下さい!!」と指さす私に、救急隊が「土足OKですか?」聞いた時、一瞬、拍子抜けした。
「え?土足?もちろんOKです!! 」と叫んだ!

3人、5人、救急車両3台、合計10名の救急隊が入って来た。

副隊長が小森さんに声掛けを、ナースが点滴を、ドクターが診察を、よく見ると近隣の2つの市から2組の救急隊が来ていた。

私は、絶対助かると確信した。

隊員の頼り甲斐のある機敏な対応。
こんな状況で不謹慎だが、映画さながらでカッコイイと感じた。

その後、入院1週間で、小森さんは元気に帰って来られた。
私は、本当に良かったと心から思った。

その日の帰りの時も、窓を開けて
「さよなら、また明日」と言って見送って下さった。

介護福祉士への挑戦「岡田のおばちゃん 介護職ブログ」第18回

新年明けましておめでとうございます!ケアステ編集部です。

精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第18回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。

今回は、美代さんとお母様のお話です。


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第18回 「2階の天使

美代さんは、言葉を使わない方なので、音楽を聴きたい時は、リモコンを持って来てご自分の部屋を指差される。

いつも一緒の音楽だが、しばらくベッドの上に寝転がって聴いておられることが多い。
だいたいは、毎日ご機嫌で、たまにクッとかニャーとかハーとか大きい声を出される時もあるが、普段はとても穏やかな人だ。

緑茶が好きで、ほうじ茶をお渡しすると、違うと戻される。

美代さんは、お風呂が大好きだ。
でも、こちらの準備ができていない時に、1人で服を脱ぎ湯船に浸かってしまわれると最低20分は、出て来てくれない。
なだめすかして、体洗いましょう、頭洗いましょうと、誘っても上がってくださらないような、頑固なところもある。

最近は、洗髪の際に椅子に座って下さらないので、立ったまま洗わなければならない。
美代さんは、身長が私と同じくらいなので、流す時、私の腕はびちょびちょになる。

美代さんのお母様は、毎週日曜日、美代さんと出かけられ、たまに平日にも用事があれば施設に来られる。
お会いすると毎回「うちの娘は、ご迷惑おかけしてませんか?」とおっしゃる。

私は、“迷惑なんて、全然ないです。美代さんはとても優しい方で、私らスタッフの癒しの天使です。”とお答えしている。

この前も「うちの子、迷惑かけてませんか?」とおっしゃったので、特になかったが、強いていえばと、お風呂で最近座って頂けない事をお伝えしたら、お母様は、大変恐縮されて
「今度、言っときますね。エライすいません。本当にすみません」
と頭を下げられたので、私は慌てて、“こちらこそ大した事でないので忘れて下さい。美代さんを叱らないで下さいね。私の腕が濡れるくらい大したことではないので”と言ったが、お母様は
「いえいえ、ああ見えて、頑固なところがあるから、あの子」
とニコニコ笑っておられた。

私は、この素敵なお母様にも癒されている。

私は、利用者様のご家族とお話するのが好きだ。

涙ながらに苦労を語って下さる方、子供がどのように暮らしているか心配だと様子を伺う方、スタッフの仕事を労ってくださる方がいらっしゃる。

どのご家族も子供さんの幸せを願ってやむにやまれず、この施設に預けておられる。

だから、絶対に手を抜いたり、適当にあしらったりしてはいけない。
どんなに忙しく、人が足りない時も、呼ばれればすぐに答え、お手伝いさせて頂く。

そうでないと、ご家族と親しくお話することはできない。

私は、利用者様がこの施設におられる限り、その人らしく過ごして欲しいといつも思っている。

介護福祉士への挑戦「岡田のおばちゃん 介護職ブログ」第17回

こんにちは!ケアステ編集部です。

精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第17回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。

最近は、スムーズにお風呂に入って下さるオカネさんのお話です。


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第17回 「おばちゃん 、魔法使いになる!

去年の6月、猛暑のある日、オカネさんはうちの施設にやってきた。(ブログ5参照)あれ以来しばらく入浴介助には、手こずってきたが、最近は
“オカネさん、お風呂行きましょか?お洋服選ぼか?”
と言うとハイハイと、ご自分から選ぼうとして下さる。

潔癖症なのか、服が入っている引き出しの取っ手は、触らず上にある黄色の色鉛筆で引っ掛けて開けておられる。
パンツ1枚を選ぶのが1番、時間がかかる。
あれでもない、これでもないと言いながら迷われてるので、これがいいんじゃないの?と触ると
「あ!おばちゃん触ったからコレは、あかん」
と言われ、最初から選び始めるのでこちらは絶対触れない。

それがオカネさんのこだわりだ。

最近は、服を選ぶとき、ニコニコされている。
私が自分の着ない服を持ってきたので、そこからも選べるからかもしれない。

ある日、若い女性の支援員から
“岡田さん、ちょっとお願いします。服は選んで下さったんですけど、このバスタオルに魔法をかけれるのはおばちゃんだけと仰ってまして…。”
と真面目な顔で言ってきた。

オカネさんは、いつものバスタオルを持ってきて
「おばちゃん、コレ、男でも使えるように魔法かけてや」と言ってきた。

オカネさんは、40代の女性だが、自分は18歳のハンサムな男子だと思っておられる。

「おばちゃんやないとあかんねん、若い女にはできへんから」

嬉しいのか悲しいのか複雑やけど
“よっしゃ!魔法かけるでぇ!”と大袈裟に両手を大きくゆっくり回して
“ハンサムな男でも使えるバスタオルになれっ!!”と言ったら

「おばちゃん、ありがとう!使えるようになったわ」とルンルンで、お風呂場に向かって行かれた。

その後も、「このクシ、使えるようにして」と言われたので、“ほな、一緒に魔法かけるで”と、人差し指で〇をかいて

”若い男でも使えるクシになれっ!!”と叫んだら

「おばちゃん!すごいな、使えるようになったわ」と喜んでくれた。

オカネさんが、喜んでくれるんやったら、なんでもする。

本当は、オカネさんの統合失調症が治って、障がいがなくなるなら、魔法でもなんでもかけてあげたいと思っている。

介護福祉士への挑戦「岡田のおばちゃん 介護職ブログ」第16回

こんにちは!ケアステ編集部です。

精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第16回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。

今回は、憎めないリョウくんのお話です。


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第16回 「ちょいちょい何かやらかすリョウくん」

リョウくんは、お目がパッチリで、まつ毛も長く、背が高くて、若い女性の利用者さんから人気があり、抱きつかれたり、プレゼントをもらったり、話題になったりするが、女性には全く興味がない28才男子。

そんなリョウくんは、いつも、半分現実の世界にいるが、半分は自分の想像の世界にいる。

自分の世界には、江戸川コナンやワンピースの海賊、シャーロックホームズや明智小五郎がおり、その世界では、よく殺人や誘拐事件が起こっていて、事件を解決すべくスタッフに謎解きをお願いしたり、コナン君に伝言を頼んできたりする。

「岡田さん、奈良シカオ君が誘拐されたからコナン君に伝えてきて」

コナン君は、今どこにいるの?

「わからない。」

そうか、じゃあ会ったら伝えるね。

と、話を聞いて答えてあげると喜んでくれるし、結果を求められないので助かる。ただ、全く意味不明な内容を、際限なく呪文のように話してくることがあって、聞いてるふりをするのに大変な時もある。何かわかる単語があればそれを繰り返して、聞いてるよというと、安心してくれる。

彼は、嫌なことがあると、眉間にシワを寄せるのが不穏のサインだ。

ソルさんがヘンテコな歌を大声で歌い出したり、水分やお菓子の要求が却下されたり、スタッフが他の利用者さんと楽しく話していたり、好きでないスタッフから何か言われたりしたとき不穏になる。

ひどくなると、幻聴が聞こえるのか壁に向かって「コラ!お前!出て来い!」と大声で叫ぶこともある。壁を叩いたり、蹴ったりすることもある。窓からポケモンカードを撒いたり、お風呂のお湯を抜いたり、衣装ケースから服を全部出し床に散らかしたり、いろんな事をやらかす。

家族が買ってくれる高いゲーム機は4台目も壊してしまった。

この前は、ティッシュ9箱から全て床にばら撒いて、ちょっと早い雪景色アートを披露してくれた時は、不覚にも「キレイやなぁ」と言ってしまった。

ある日は、たまたまカギが開いていた事務所から炭酸のペットボトルを5本取ってきて一気に飲みほし、すべて吐いて、床もベッドもエライ事になった。

そんなこんなで、他の人がやらないだろう、色々『面白い事』をやらかしてくれる。

ブツブツ文句言いながら後片付けをしてる私の横でニコニコしながら見守ってくれる。

機嫌が良いと、近づいて、肩を組んできて耳元にフーと息をかけて「ふふふ」と笑う。

これは、慣れないとコワイし、慣れてもゾッとする。

でも可愛いところもある。
帰ろうとする、私を見つけて
「岡田さん、またお好み焼き作って欲しい」と言ってくる。
美味しかったん?
「うん。」
じゃあ、また作るわねと言うと、うれしそうにニコッとしてくれる。

私が作るお味噌汁を、おふくろの味と言ってくれるのは、リョウくんだけだ。

明日は何をしでかすのか、厄介でもあるが、ほんのちょっとだけ楽しみでもある。

介護職・看護助手のお仕事探しは「ケアステーション」で

介護福祉士への挑戦「岡田のおばちゃん 介護職ブログ」第15回

こんにちは!ケアステ編集部です。

精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第15回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。

今回は、夕食準備中のキッチン周りの会話を、少し録音した内容です。


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第15回 「キッチン周りでの、何気ないコミュニケーション」

2階(女性のフロア)
16:30 キッチン内 夕食の準備
録音再生スタート

【やえこさん】岡田さーん、おかず、なに?(チキンです)チキンやてチキン。
岡田さん、好きよ。(ありがとう、美味しいご飯作るね)うん

【じゅんさん】ここにお茶入れてぇ
(はい、どうぞ)ありがとさーん🎵

【エリさん】すみませーん 今日お風呂入られへんの?
(明日入りましょ)えーなんで?

【やえこさん】岡田さん、夜勤だれ?
(山本さんですよ)
山本さん来る?(来られますよ)
どこに?(ここに)何時に?(6時に)

【エミさん】岡田さん、私のスプーン置いてくれた?(置いてますよ。ほら)
私のチキン、皮むいて、切ってや。
(切りましたよ)見せて
(はい、こんな感じでOK?)OKですぅ。

【ゆりさん】あの、お茶いいですか?
(ゆりさん、さっき飲みはったのであと15分待ってくださいね)
はい。

【やえこさん】やえこちゃんもお茶欲しい。(やえこちゃんもお薬の時に飲むからもう少し待ってね)漢方?(そうよ)
岡田さん、明日パン?(そやね、明日パンやね)ヤッター(なんのパンかな?)メロンパンがいい。

【エリさん】ねえ、お風呂入られへんの?なんで?なんでよぉ。(さっき入らないっておっしゃったけど)そんなん言ってない!
(エリさん、今日は遅いから明日、入りましょね)えーなんで?なんで?

【エミさん】岡田さん、今入れたのごぼう?にんじん?なに?
(ごぼうの炊いたんです)美味しい?(美味しいですよ)

【エリさん】私のご飯ある?(ありますよ)岡田さん、私の話も聞いてよ。
(聞いてますよ)えー?

【アキさん】ロキソニン貰ってもいいですか?(はい、ちょっと待ってね。はいどうぞ、お茶も入れますね)ありがとう

【エミさん】岡田さん、美代ちゃん、またトイレ行ったで!あぁトイレットペーパー口に入れたで。
(美代さん、はい、お口開けて)

【やえこさん】うんこ行く。(出たら教えてね)うんこ、うんこ、ハハハ

【エミさん】やえこちゃん、ご飯作ってんのにうんことか言わんといてよ。デリカシーがないんやから、もう。
なぁ、岡田さん。(エミさんも今、言うてはったけど)

【ゆりさん】すみません。お茶いいですか?
(まだ、5分しか経ってないからあと10分待ってくださいね)はい。

16:35再生終了…

ご飯前のみんなとの会話は、家族みたいで、そのひと時が貴重で、楽しい時間です。

介護福祉士への挑戦「岡田のおばちゃん 介護職ブログ」第14回

こんにちは!ケアステ編集部です。

精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第14回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。

今回は、「岡田のおばちゃん」自身のお話です。


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第14回 「休んでる場合じゃない!!」

私は、7月初旬の早朝、犬の散歩中に転んで、左手首を骨折してしまい、急遽、入院、手術、リハビリとしばらく仕事を休まざるおえなくなった。

主治医にいつ仕事に復帰できるか聞いたら、介護職なら2ヶ月くらいは休んだ方がいいよ、と言われたが、3週間ぶりに施設に行ってみた。

早速、ドアの前に訪看さんといた車椅子のエリさんに手を振った。
「うわー岡田さんやん。」
骨折て痛いなぁ。私、エリさんの足の痛さがわかる人になったでというと、ハグして肩をトントンとして下さった。
優しいなぁ。

玄関ドアを開けると、椅子に座ってスマホを見ていたトミちゃんが私を2度見して「お、岡田さんやん!大丈夫?」とそっと手を見てくれた。
トミちゃん、心配してくれてありがとう、と言うと恥ずかしそうにスマホに目を落とした。
なんて優しい子やろ。

靴を履き替えて、2階の事務所に上がろうとすると、自称ナースのオカネさんが何か独り言を言って、持っていたノートに何か書いていたが、私を見つけると、ニヤッと笑って「おばちゃーん」と寄ってきてくれた。
「手、大丈夫?」
知ってたん?骨折しちゃって、ほんまアホやろ?
「無理したらあかんよ」
と言いながら何かノートに書き込み始めた。
看護師(?)としての仕事頑張ってるやん。

事務所では、管理者とサビ管も笑顔で迎えてくれた。
抜糸が終わったのでそろそろ働きたいんですがと言うと、明後日からということになった。早っ!

他のみんなに報告すべく立ち寄ると、エミさん、アキさんがビックリしたような笑顔で迎えてくれた。

「岡田さんやん、骨折したん?」
「大丈夫なん?え!明後日から?」
「掃除出来んの?味噌汁作れんの?」

それくらいできますよ。

「洗濯手伝ってくれるん?」

それは、自分でして下さいよ。

「えー!してよぉ。」

エミさんは相変わらずやね。
やえこちゃん、元気やった?

「岡田さん、おはよう、あくしゅ、夜勤だれ?」

夜勤、誰やろなぁ。握手は右手でしよな。

現在、骨折から、もうすぐ2ヶ月になるが他のスタッフにフォローして頂いて仕事も変わらず楽しくさせていただいている。

介護福祉士になるべく、期間でいうとあと1年半、270日。
再来年の2月の試験に向けて来年からは、試験勉強もしないといけない。
文章問題に60代の読解力がついていかないけど、とにかく休んでる場合じゃない。

介護福祉士への挑戦「岡田のおばちゃん 介護職ブログ」第13回

こんにちは!ケアステ編集部です。

精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第13回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。

今回は、1人でいるのが寂しいエリさんのお話です。


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第13回 「エリさんの素顔」

ある朝、仕事場の駐車場に車を停めると私の名前を叫ぶ声が聞こえた。
「岡田さーん!」
ドアを開けて辺りを見渡したが誰もいない。ベランダにも人影はなかったが、続けて
「岡田さーん!」と聞こえた。

私も遂に幻聴が聞こえるようになったかと思ったが、後から到着したスタッフにも聞こえたらしく、なんで彼女、岡田さんが来たのわかったんやろと言った。

声の主は、エリさん。
今年6月に入居されたばかりの利用者さんだ。

急いで2階に上がると、夜勤のスタッフが記録を書きながら
「岡田さん、エリさんがお呼びですよ」と笑った。

なんやろ?外まで聞こえとったけど。
ほんまに人気もんは、困るわ。と独り言をいいながら、各お部屋を回って挨拶をしていく。

やえこちゃん、おはよう。夜勤?誰やろな。おかず?何やろな?

ジュンさん、おはようございます。足の調子いかが?

エミさん、今日もお手柔らかによろしくお願いします。

オカネさん、今日の服めっちゃ決まってるよ!ナイス!!

奈緒さん、あれ?どこにいるの?また事務所かな?

百合さん、アキさん、おはようございます。

鈴さん、おはよう。作業所の準備万端?

エリさん、おはようございます。私を呼ぶ声が外まで聞こえてましたよ。何か御用ですか?

エリさんは、泣き出しそうな顔で
「私、部屋でご飯食べていいの?」とおっしゃった。

エリさんは、いつも何度も大声でスタッフを呼ばれる。
「私のご飯ある?」
「ここにいていい?」
「私、どうしたらいいの?」
「ご飯いつ?」
「ここで食べていいの?」

特に夕方4時位からは、頻繁だ。
「すみませーん」「すみませーん」
ただ、お部屋に行くと、毎回
「私、ここにいていいの?」とおっしゃる。

いいですよと言うと
「なんで?」と怪訝な顔をされ、
リビングに行きますか?と言うと
「えー??なんで?」と今度は怒って言われる。

そしてこの繰り返しが数分続く。

多分、寂しいんだろうと思うが、他の利用者さんの介助もあるので、いつも適当に切り上げてしまっていた。
彼女は、某有名大学卒で、学生時代から1人で海外を飛び回り、英語はペラペラだそうだ。
ワーホリにも行ったことがあるそうで、私に似た経験をした人だということを知った。

何があって統合失調症になってしまわれたのか、原因は分からないが、私とエリさんの共通点が海外旅行好き、ということがわかった。

「す・み・ま・せーーん!」

What’s the matter with you?
(どうしましたか?)

“Can I have lunch here?”
(ここでご飯食べていいの?)

Sure why not?
(もちろんよ)

英語で話してみると、とてもにこやかで病気の前の本当のエリさんに戻られているような気がした。
また明日来ますねとハグをすると泣きそうな笑顔で

“See you tomorrow “
と言ってくださった。

介護福祉士への挑戦「岡田のおばちゃん 介護職ブログ」第12回

こんにちは!ケアステ編集部です。

精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第12回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。

今回は『天使』と言われている、タカシさんのお話です。


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第12回 「天使の声

タカシさんは今年入居された50代の利用者さんだ。

可愛らしい顔立ちで、輪ゴムの手遊びが好きで、オシャレで、妹さんのことが大好きで、古本を買うのが趣味で、背が高くて、ちょこっとぽっちゃりしておられる。

そんなタカシさんは、スタッフの間で『天使』と言われている。

お話はできないが、こちらの言うことは、わかっておられる。

ある日、妹さんからお聞きしたところ「たまに、声、出しますよ」とのこと。
本当?どんな声?笑ってくれるのかな?聞きたい!

ただ、話しかけても、いつも無言。
こそばしたら、笑ってくれる?と思ったが嫌そうなのでやめた。

ある日、テレビを見ていたタカシさんが、急に立ち上がり、まあまあ大きな声で「ドン!!」とおっしゃった。

な、何事?と思ってテレビをみたら『よ~いどん』が始まっていた。

ねぇタカシさん、よ~い…ドン!ってもう1回言って~。と何度もお願いしたが今のところ2回目はない。

他のスタッフに聞いても、聞いたことないというから、あの時の『ドン!』は、かなりレアな声だったんかな・・・。

今日も輪ゴムで手遊びをしておられるタカシさん。
私は、テレビをつけて『その時』を待っている。

介護福祉士への挑戦「岡田のおばちゃん 介護職ブログ」第11回

こんにちは!ケアステ編集部です。

精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第11回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。

今回は、恥ずかしがり屋モトヤマさんのお話です。


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第11回 「モトヤマさんと雑談したい!

モトヤマさんは、ひょろっとした痩せ型の40代の男性で、1年中、黒かグレーの上下のスウェットを着ておられる。
お部屋にはベッドと小さい食卓と、小さい衣装ケースしかない。

モトヤマさんは、無表情だが、とても丁寧に小さめの声で話される。
ただ時々、幻聴が聞こえた時は、自分の部屋で布団を被って、大きな声を出される。

「お茶下さい」
キッチンに女性スタッフがいる時は、そっと部屋から出てこられ、内緒話をされるような声で仰る。

私は、モトヤマさんと、お茶以外の他のことも話したくて、お部屋の掃除の時や廊下で会った時など、何かと話題を見つけて話しかける。

ある日、散歩に行かれた利用者さんが、道端で見つけたお花をキッチンのカウンターに飾っておられた。

そこへ、たまたま通り過ぎようとしたモトヤマさんに、このお花きれいですねと言ってみたら、優しいお顔で「そうですね」と答えて下さった。

お髭が伸びてきた時は、まるでキリスト様みたいですよと言ってみたら「いやいや…」と手を少しお顔の前で振って謙遜された。

お茶を出す時も、天気の話をしたり、レクリエーションの話をすると、表情も声も柔らかになられる。

今後の目標は、モトヤマさんと楽しくお話をする事だ。興味のある事が何か、今度ご家族に聞いてみようと思う。

介護福祉士への挑戦「岡田のおばちゃん 介護職ブログ」第10回

こんにちは!ケアステ編集部です。

精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第10回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。

今回は、謙虚な百合さんのお話です。


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第10回 「謙虚でおとなしい百合さんのこと」

百合さんは控えめな利用者さんで、ご自分から何かをお話されることは殆どなく、いつも黙ってダイニングで、テレビを見ておられる。

唯一、お茶が欲しい時だけ、「お茶、いいですか?」と聞いてこられる。

百合さん、お風呂の用意が出来たので、お風呂入ってくださいと言うと必ず
「お風呂?いいですわ。今日は、いいですわ」
と言われるので、そんな遠慮されなくても準備も出来ましたし、お洋服用意しましょかという会話を3回くらい繰り返すと、やっと「そうですか」と準備をされる。

ある日、他の利用者さんたちから、ふりかけやバナナを買って来て欲しいと言われたので、百合さんにも何か要る物があれば買って来ますよとお尋ねしたところ、やはり「何もないです。要らないのでいいですわ」と言われた。

そんなある日、女性の階だけで、塗り絵をすることになった。

大人の塗り絵を数枚コピーして、色鉛筆を真ん中に置いてエミさん、アキさん、ジュンさんが取り掛かり始めたので、百合さんにも塗ってみて下さいねと言ったところ案の定「いいですわ。私、しません」と言われた。

まぁそう言わんと一回やってみて下さいと、何度もお願いしたところ「下手やから私、塗り絵、好きじゃないし」と言いながら塗り始められた。

十数分後、終わった作品を見てみんなびっくり!

10個あったお花の一つ一つが、みんな違うセンスのいい色の組み合わせで、線から全くはみ出さず塗れていた。

百合さんすごい!素敵です!

百合さんは、照れたように「そうですか、私、下手やから。まぐれやわ」としきりに謙遜されていたが、今まで見たこともない笑顔で満足そうにしておられた。

百合さんの知らなかった才能を引き出せた事と、変わり映えのない毎日の中で、ひと時でも満足感を感じてもらえたことが、良かったと思った。