こんにちは!ケアステ編集部です。
精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第12回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。
今回は『天使』と言われている、タカシさんのお話です。
精神障がい者グループホームは
毎日がワクワクのアトラクション
楽しくて嬉しくて幸せすぎ。
第12回 「天使の声」
タカシさんは今年入居された50代の利用者さんだ。
可愛らしい顔立ちで、輪ゴムの手遊びが好きで、オシャレで、妹さんのことが大好きで、古本を買うのが趣味で、背が高くて、ちょこっとぽっちゃりしておられる。
そんなタカシさんは、スタッフの間で『天使』と言われている。
お話はできないが、こちらの言うことは、わかっておられる。
ある日、妹さんからお聞きしたところ「たまに、声、出しますよ」とのこと。
本当?どんな声?笑ってくれるのかな?聞きたい!
ただ、話しかけても、いつも無言。
こそばしたら、笑ってくれる?と思ったが嫌そうなのでやめた。
ある日、テレビを見ていたタカシさんが、急に立ち上がり、まあまあ大きな声で「ドン!!」とおっしゃった。
な、何事?と思ってテレビをみたら『よ~いどん』が始まっていた。
ねぇタカシさん、よ~い…ドン!ってもう1回言って~。と何度もお願いしたが今のところ2回目はない。
他のスタッフに聞いても、聞いたことないというから、あの時の『ドン!』は、かなりレアな声だったんかな・・・。
今日も輪ゴムで手遊びをしておられるタカシさん。
私は、テレビをつけて『その時』を待っている。