こんにちは!ケアステ編集部です。
精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第17回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。
最近は、スムーズにお風呂に入って下さるオカネさんのお話です。
精神障がい者グループホームは
毎日がワクワクのアトラクション
楽しくて嬉しくて幸せすぎ。
第17回 「おばちゃん 、魔法使いになる!」
去年の6月、猛暑のある日、オカネさんはうちの施設にやってきた。(ブログ5参照)あれ以来しばらく入浴介助には、手こずってきたが、最近は
“オカネさん、お風呂行きましょか?お洋服選ぼか?”
と言うとハイハイと、ご自分から選ぼうとして下さる。
潔癖症なのか、服が入っている引き出しの取っ手は、触らず上にある黄色の色鉛筆で引っ掛けて開けておられる。
パンツ1枚を選ぶのが1番、時間がかかる。
あれでもない、これでもないと言いながら迷われてるので、これがいいんじゃないの?と触ると
「あ!おばちゃん触ったからコレは、あかん」
と言われ、最初から選び始めるのでこちらは絶対触れない。
それがオカネさんのこだわりだ。
最近は、服を選ぶとき、ニコニコされている。
私が自分の着ない服を持ってきたので、そこからも選べるからかもしれない。
ある日、若い女性の支援員から
“岡田さん、ちょっとお願いします。服は選んで下さったんですけど、このバスタオルに魔法をかけれるのはおばちゃんだけと仰ってまして…。”
と真面目な顔で言ってきた。
オカネさんは、いつものバスタオルを持ってきて
「おばちゃん、コレ、男でも使えるように魔法かけてや」と言ってきた。
オカネさんは、40代の女性だが、自分は18歳のハンサムな男子だと思っておられる。
「おばちゃんやないとあかんねん、若い女にはできへんから」
嬉しいのか悲しいのか複雑やけど
“よっしゃ!魔法かけるでぇ!”と大袈裟に両手を大きくゆっくり回して
“ハンサムな男でも使えるバスタオルになれっ!!”と言ったら
「おばちゃん、ありがとう!使えるようになったわ」とルンルンで、お風呂場に向かって行かれた。

その後も、「このクシ、使えるようにして」と言われたので、“ほな、一緒に魔法かけるで”と、人差し指で〇をかいて
”若い男でも使えるクシになれっ!!”と叫んだら
「おばちゃん!すごいな、使えるようになったわ」と喜んでくれた。
オカネさんが、喜んでくれるんやったら、なんでもする。
本当は、オカネさんの統合失調症が治って、障がいがなくなるなら、魔法でもなんでもかけてあげたいと思っている。
