こんにちは!ケアステ編集部です。
精神障がい者グループホームで実務経験を積みながら、「介護福祉士」取得を目指す『岡田のおばちゃん』による連載ブログの第11回。
楽しいことが大好きで、入居者さんへの愛情たっぷりの彼女ならではの視点と言葉で、グループホームでの日常の出来事や介護のお仕事の実体験をお伝えしていきます。
今回は、恥ずかしがり屋モトヤマさんのお話です。
精神障がい者グループホームは
毎日がワクワクのアトラクション
楽しくて嬉しくて幸せすぎ。
第11回 「モトヤマさんと雑談したい!」
モトヤマさんは、ひょろっとした痩せ型の40代の男性で、1年中、黒かグレーの上下のスウェットを着ておられる。
お部屋にはベッドと小さい食卓と、小さい衣装ケースしかない。
モトヤマさんは、無表情だが、とても丁寧に小さめの声で話される。
ただ時々、幻聴が聞こえた時は、自分の部屋で布団を被って、大きな声を出される。
「お茶下さい」
キッチンに女性スタッフがいる時は、そっと部屋から出てこられ、内緒話をされるような声で仰る。
私は、モトヤマさんと、お茶以外の他のことも話したくて、お部屋の掃除の時や廊下で会った時など、何かと話題を見つけて話しかける。
ある日、散歩に行かれた利用者さんが、道端で見つけたお花をキッチンのカウンターに飾っておられた。
そこへ、たまたま通り過ぎようとしたモトヤマさんに、このお花きれいですねと言ってみたら、優しいお顔で「そうですね」と答えて下さった。
お髭が伸びてきた時は、まるでキリスト様みたいですよと言ってみたら「いやいや…」と手を少しお顔の前で振って謙遜された。
お茶を出す時も、天気の話をしたり、レクリエーションの話をすると、表情も声も柔らかになられる。
今後の目標は、モトヤマさんと楽しくお話をする事だ。興味のある事が何か、今度ご家族に聞いてみようと思う。